株式会社エー・ピーホールディングス(塚田農場の運営会社)の株主優待が変更されました。これまで100株保有の株主に提供されていた人気商品「地鶏炭火焼き」が優待ラインナップから姿を消し、代わりに「ぶっかけ丼食べ比べセット」が登場しています。
地鶏炭火焼きが食べたくて株を買った私にとって、優待から無くなるというのはかなりのショックです。
なぜ地鶏炭火焼きが無くなったのか?
同社が2025年10月31日に発表したプレスリリースから、その背景が見えてきます。
【塚田農場】11月1日(土)より店舗の垣根を撤廃し、地鶏の生産状況にあわせて利用
地鶏生産の厳しい現実
プレスリリースによれば、塚田農場では以下のような課題に直面していました。
- コロナ禍での生産量縮小: 2020年の新型コロナウイルス流行で居酒屋営業が縮小し、地鶏の使用量が一時的に減少。それに伴い生産量も縮小
- 自然災害や感染症の影響: 度重なる自然災害や感染症により、鹿児島・宮崎における地鶏の生産環境が悪化
- 需要と供給のアンバランス: コロナ明けで居酒屋事業が回復傾向にある一方、産地での生産量が追いつかず、バランスが不安定に
株主数増加も一因か
株主優待は人気があればあるほど、必要な商品数も増えていきます。エー・ピーホールディングスの株主数が増加したことで、優待用の地鶏を安定的に供給することが困難になったと推測されます。
限られた生産量の中で、店舗での提供、オンライン販売、そして株主優待と、需要を満たすのは現実的に難しかったのかもしれません。
ただし、300株以上保有すれば地鶏炭火焼きも選択できます。
店舗でも柔軟な運用へ
同じプレスリリースでは、2025年11月1日より塚田農場の店舗運営についても大きな変更が発表されています。
これまで「鹿児島県霧島市 塚田農場」では黒さつま鶏、「宮崎県日南市/日向市 塚田農場」ではみやざき地頭鶏と、店舗ごとに使用する地鶏が決まっていました。
しかし今後は、店舗の垣根を撤廃し、生産状況に応じて両方の地鶏をフレキシブルに使用するとのこと。料理に合わせて適切な地鶏を選び、産地に無理のない範囲で使用していく方針です。
優待内容の変更は「改悪」なのか?
正直に言えば、地鶏炭火焼きファンにとっては「改悪」です。
ただし、企業の視点で考えると、これは持続可能な事業運営のための苦渋の決断だったと言えます。
ポジティブに捉えるなら
- 無理な生産を産地に強いず、生産者との持続可能な関係を維持
- 長期的には安定した事業基盤につながる可能性(また復活してくれると嬉しい、、、)
- 企業としての誠実な姿勢の表れ
株主優待は企業からの「おまけ」的な要素も大きく、事業の持続性が損なわれてしまっては本末転倒です。
まとめ:地鶏ロスだけど...
エー・ピーホールディングスの100株の株主優待から地鶏炭火焼きが消えたことは、残念なニュースです。代わりのぶっかけ丼セットがどれほど魅力的かは、実際に受け取ってみないと分かりませんが、炭火焼きの特別感を超えるのは難しいかもしれません。