「この問題、どうすればいいんだろう...」
そう頭を抱えたまま、何時間も悩んでいませんか?私も以前は問題を前にすると、思考が堂々巡りして何も進まない日々を送っていました。でも、ある思考法を知ってから、スムーズに問題解決できるようになりました。
その秘密は、「What-Where-Why-How」という4つの質問を順番に投げかけるだけ。たったこれだけで、頭の中のモヤモヤが整理され、具体的な解決策が見えてくるようになります。
なぜ私たちは問題を前にすると思考停止してしまうのか?
問題解決が難しく感じる理由、それは問題が大きな塊のまま目の前にあるからです。
これは、巨大な岩を動かそうとしているようなもの。力任せに押しても、びくともしません。でも、その岩を小さく砕いていけば、一つひとつは持ち運べるサイズになりますよね。
問題解決も同じです。大きな問題を、扱いやすいサイズに分解する。それが「What-Where-Why-How」の本質です。
問題解決の4ステップ:シンプルだけど強力な思考法
では、具体的にどう考えていけばいいのか。4つのステップを順番に見ていきましょう。
ステップ1:What(何が問題か?)
最初のステップは、問題そのものを明確にすることです。
「売上が悪い」「仕事が進まない」「人間関係がうまくいかない」...こうした漠然とした悩みを、もう一歩踏み込んで具体化します。
例えば:
- ×「売上が悪い」→ ○「新商品Aの売上が、目標の60%にとどまっている」
- ×「仕事が進まない」→ ○「プロジェクトBが、2週間遅延している」
- ×「人間関係がうまくいかない」→ ○「上司からの指示が曖昧で、何度も手戻りが発生している」
この段階で大切なのは、数字や固有名詞を使って、問題を「誰が見ても同じ認識」になるレベルまで具体化することです。
漠然とした不安は、輪郭がはっきりしないからこそ怖い。でも、問題の正体が見えれば、すでに解決への第一歩を踏み出しています。
ステップ2:Where(どこに問題のポイントがあるのか?)
問題が明確になったら、次は問題の核心部分を特定します。
これは、病気で言えば「患部を見つける」ようなものです。体全体が痛いと思っていても、実は右足首を捻挫していただけ、なんてことありますよね。
例えば:「新商品Aの売上が目標の60%」という問題なら
- 認知度の問題?→SNSフォロワーは多いが、商品ページへの流入が少ない
- 価格の問題?→競合より20%高い設定
- 品質の問題?→レビューは高評価が多い
→問題のポイントは「認知から購入への導線」にある
このステップでは、問題を要素分解して、どこにボトルネックがあるのかを見極めます。全部を直そうとすると力が分散してしまいますが、ポイントを絞れば効率的に解決できます。
ステップ3:Why(なぜその問題が生じたのか?)
問題のポイントが見えたら、その原因を深掘りしていきます。
ここで意識したいのが、表面的な原因で止まらないこと。「なぜ?」を3回繰り返すと、本当の原因にたどり着けると言われています。
例えば:「商品ページへの流入が少ない」
- なぜ?→SNS投稿に商品リンクを貼っていないから
- なぜ貼っていない?→デザイン重視で、リンクは見た目が悪いと思っていたから
- なぜデザイン重視に?→「おしゃれさ=ブランド価値」という思い込みがあったから
このように掘り下げると、真の原因は「運用のミス」ではなく「思い込み」にあったことが分かります。
表面だけを直しても、根本が変わらなければ同じ問題が繰り返されます。このステップこそが、問題の再発を防ぐ鍵になります。
ステップ4:How(いかにしてその問題を解決するか?)
最後は、具体的な解決策を考えて実行します。
ここまで来れば、もう迷うことはありません。What-Where-Whyで問題の全体像が見えているので、的確な対策を打てるはずです。
例えば:
- 即効性のある対策:SNS投稿にわかりやすい商品リンクを追加する
- 中期的な対策:「デザイン性」と「導線の分かりやすさ」を両立する投稿フォーマットを作る
- 長期的な対策:チーム内で「おしゃれさよりも顧客の使いやすさを優先する」という価値観を共有する
重要なのは、すぐに実行できる小さな一歩から始めること。完璧な解決策を練るより、70点の案をすぐに試してみる方が、結果的に早く問題が解決します。
この思考法を使うと、何が変わるのか?
1. 問題を前にしても、焦らなくなる
問題が起きると「どうしよう、どうしよう」と頭の中がパニックになっていたとしても、この思考法を使うことで「まずWhatだな」と冷静に考え始められます。
2. チームでの議論が建設的になる
会議で「とにかく頑張ろう!」みたいな精神論になることが減ります。「今、Whereの段階だね」「まだWhyが明確じゃないから、もう少し掘り下げよう」と、共通言語で話せるように。
3. 小さな成功体験が積み重なる
問題を分解して一つずつクリアしていくので、「ここまでできた」という達成感を感じやすくなります。その積み重ねが自信につながり、さらに大きな問題にも挑戦できるようになっていきます。
実践:今日から使える簡単ワーク
頭で理解するだけでなく、実際に手を動かしてみます。
紙とペンを用意して、今抱えている問題を一つ思い浮かべてみる。そして、以下の4つの質問に答えてみます。
- What:この問題を、数字や固有名詞を使って具体的に書くと?
- Where:この問題の中で、最も改善すべきポイントはどこ?
- Why:なぜそのポイントに問題が生じたのか?(「なぜ?」を3回繰り返す)
- How:明日からすぐにできる最初の一歩は何?
たった10分のワークですが、驚くほど頭の中がクリアになるはずです。
まとめ:問題解決は、才能じゃなくて技術
「あの人は問題解決能力が高い」と言われる人も、実は特別な才能があるわけではありません。
正しい思考の「型」を知っていて、それを繰り返し使っているだけなんです。
- Whatで問題を明確にする
- Whereでポイントを絞る
- Whyで原因を深掘りする
- Howで解決策を実行する
このシンプルな4ステップを、繰り返し日常に取り入れてみることで自ずとパフォーマンスが上がるはずです。