長年憧れていた棚田の風景を求めて、愛知県新城市の山間部に位置する「四谷の千枚田」を訪れました。
平坦な田んぼとは一線を画す、傾斜地を活用した美しい段々畑の風景は、まさに日本の原風景そのものでした。
棚田が語る先人の知恵
一般的な稲作といえば、平地に水を張った田んぼを思い浮かべがちですが、ここ四谷の千枚田では、急峻な山の斜面を巧みに利用した棚田が展開されています。
この光景を目の当たりにすると、限られた土地を最大限に活用しようとした昔の人々の知恵と創意工夫の素晴らしさに、改めて感動させられます。

訪問したのは夏の盛り。
青々と茂った稲が、斜面に刻まれた無数の水田を鮮やかに彩っていました。
遠くまで続く棚田の風景は、まるで天然の階段のように山の頂上付近まで広がっており、その壮大さに圧倒されます。

一般の方でも歩けるコースが整備されているため、駐車場に車を停めて気軽に散策を楽しむことができました。
坂道の勾配はそれなりにありましたが、階段や砂利道などの難所はなく、2歳の息子をベビーカーに乗せての移動も問題ありませんでした。
より高いところからの絶景を求めて

途中、屋根付きのベンチで妻と息子に休憩してもらい、私一人でさらに上部へ向かいました。

標高が上がるにつれて傾斜はより急になりましたが、その分、振り返って見る棚田の景色は格別でした。
川のせせらぎや鳥やセミの鳴き声も聞こえてきます。
この場所で感じたこと
米作りの大変さと食への感謝
山間部での米作りの困難さを肌で感じながら歩いていると、「これほど苦労して作られたお米なら、一粒も無駄にしてはいけない」という思いが自然と湧き上がってきました。
普段何気なく食べているご飯への感謝の気持ちを、改めて深く感じる瞬間でした。
デジタルデトックスの効果を実感
川のせせらぎや鳥のさえずり、セミの鳴き声に包まれながら棚田を眺めていると、日常の喧騒から完全に解放される感覚を味わえました。
これぞまさに、真のデジタルデトックス体験といえるでしょう。
家族との思い出づくり
息子はまだ2歳で、この風景の価値を理解するのは難しいかもしれません。
しかし、手間暇かけて作られたお米の大切さを、将来しっかりと伝えていきたいと思います。
「ご飯は残さず食べる」という当たり前のことの意味を、この体験を通じて教えていけたらと考えています。
アクセス・駐車場情報

駐車場は看板が目印となっており、約10台程度の駐車スペースが確保されています。
過度な観光地化がされておらず、自然体の美しい風景がそのまま保たれているのも、この場所の大きな魅力の一つです。
仮設トイレが一つだけありますが、ぼっとん式で綺麗ではないので事前にコンビニなどでトイレを済ませておくことをお勧めします。
さいごに
正直なところ、棚田を見たいという私の熱意は妻にはあまり理解してもらえませんでした。
それでも暑い時期にもかかわらず快く同行してくれた妻には感謝しています。
家族みんなで日本の美しい原風景に触れ、食への感謝の心を新たにできた、有意義な一日となりました。