こんにちは。
今日は、ライフネット生命創業者の出口治明さんの著書『大局観』から学んだ、仕事で使える「タテヨコ視点」について書きたいと思います。
タテヨコ視点って何?
出口さんが提唱する「タテヨコ視点」は、物事を多角的に捉えるための思考フレームワークです。
タテの視点とは、時間軸での思考。過去の経験や先人の知恵から学ぶ縦断的な視点です。
ヨコの視点とは、空間軸での思考。同時代の他の事例や異なる分野から学ぶ横断的な視点です。
この2つの軸を組み合わせることで、より立体的で抜け漏れの少ない判断ができるようになります。
仕事での具体的な活用法
タテの視点:歴史から学ぶ力
- これまでの振り返り:自分や組織の過去の成功・失敗事例を体系的に整理
- 先人の知恵を活用:業界の先輩たちがまとめた資料や事例集を参照
- 本質的要因の抽出:単なる事実の羅列ではなく、「なぜ成功したのか」「なぜ失敗したのか」という根本原因まで掘り下げる
ヨコの視点:同時代から学ぶ力
- 他プロジェクトとの比較:社内の別部署や他のチームがどのようなアプローチを取っているかを調査
- 業界横断的な事例研究:異業種の成功事例からヒントを得る
- グローバルな視点:海外の同業他社や先進事例を参考にする
3つの効果で仕事が変わる
この視点を身につけると、以下の3つの効果が期待できるのではないかと考えています。
1. 抜け漏れの防止
タテヨコ両方向からチェックすることで、思い込みや見落としを大幅に減らせます。「過去に同じようなケースはなかったか?」「他の部門ではどう対応している?」という問いかけが自然にできるようになります。
2. 新たな気づきの発見
一見関係なさそうな分野からも、意外なインスピレーションが得られます。出口さんも著書の中で、歴史上の事例を現代ビジネスに応用する例を多数紹介されています。
3. 効率性の向上
車輪の再発明を避け、既存の知見を有効活用することで、大幅な時短が実現します。ゼロベースで考える前に、まずはタテヨコ視点で情報収集することで、スタートラインを大きく前進させられます。
自分も情報を残す側に回る
私たちは普段、過去の事例や他社の成功例を参考にすることが多いですが、同時に未来の誰かにとって有益な情報を残す責任もあります。
- プロジェクトの振り返りを丁寧に言語化する
- 成功要因と失敗要因を客観的に分析する
- 再現可能な形でノウハウを体系化する
これらの活動が、組織全体の大局観向上につながっていきます。
実践のコツ:タテヨコチェックリストの活用
理論は分かっても、忙しい日常で実践するのは簡単ではありません。そこでおすすめなのが「タテヨコチェックリスト」の作成です。
プロジェクト開始時のチェック項目
- 過去に類似のプロジェクトはあったか?
- その時の成功要因・失敗要因は何だったか?
- 他部門で参考になる事例はないか?
- 他社や他業界の先進事例は?
- 海外ではどのようなアプローチが取られているか?
このようなチェックリストを習慣化することで、自然とタテヨコ視点が身につきます。
まとめ
出口治明さんの「大局観」から学ぶタテヨコ視点は、単なる思考法ではなく、仕事の質を根本的に変える実践的なツールです。
歴史に学び、同時代の事例から気づきを得て、そして自分自身が次世代のための情報を残していく。この循環を意識することで、個人の成長はもちろん、組織全体の知的資産も蓄積されていきます。
私自身、まずは今取り組んでいるプロジェクトで、「タテの視点で見ると?」「ヨコの視点で見ると?」と自問自答することから始めてみようと思います。